20170615
レッグウォーマーなど脚・足に関わる仕事をしていると「歩く」ことに非常に関心があります。

最近、「歩行速度と寿命」についてのレポートを見つけました。

2011年にアメリカで発表された研究論文を下敷きにして書かれたもので参考になる内容でしたので一部紹介したいと思います。

それは、地域に在住する65歳以上の男女3万4千人を平均112年以上
追跡調査したデータをもとに、歩行速度と生存率を調べたものです。

その結果、死亡リスクは
歩行速度が毎秒0.1メートル速くなるごとに0.88倍ずつ
そのリスクは低下することがわかりました。

特に75歳以上では、
歩行速度の違いで10年間も生存する期間に幅があるといいます。

歩行速度の遅い 低速グループでは、
75歳以上の方の65%が、その後10年の間に亡くなっているのに対し、
高速グループでは、その後10年の間で亡くなった方はわずか8%です。

この結果から、歩行速度と生存率には、大きな関連があることがわかりました。

「歩行」は身体機能の指標となり得る、つまり、
健康のバロメーターとなることが実証されたようです。

ここまではっきりとした結果が出ていると
日常的に私たちも何が何でも早く歩かないと、と思ってしまいます。

体の中で一番大きな筋肉があるのが脚です。
足を大股で速く歩くことによって脚の筋肉が収縮、伸長します。

これにより血液の流れを良化します。

この筋肉のポンプ作用が「脚は第2の心臓」と言われえる理由ですね。
血流が良化すれば、血液を送り出すポンプである心臓が鍛えられます。

脳への血流もよくなり、脳全体が活性化して、脳の老化を防ぎます。

また、力強い歩行は、記憶力に関わる「海馬」という部分で
新しい脳細胞を育てる「たんぱく質」を増やすこともわかっています。
つまり、脚の筋肉は、私たちの心身機能すべてにつながり、影響しています。

脚の筋肉は、運動の刺激で筋肉を作るメカニズムが備わっています。
体内では、新陳代謝とともに筋肉の分解と合成が日々行われています。

筋肉の材料は「たんぱく質」です。
食事で摂取した「たんぱく質」はアミノ酸に分解され、血液によって筋肉に届けられます。
古くなった筋肉は分解され老廃物になり、アミノ酸から新しい筋肉が作られます。
この分解と合成のバランスで筋肉は維持されます。

年を重ねると筋肉の合成力が低下します。
そのため、分解される筋肉量よりも、合成できる筋肉量が少なくなり、
除々に減っていきます。

しかし、歳を重ねても、歩行力で脚の筋肉を刺激すると筋肉の
合成力が上がり、筋肉量を増やすことができます。

このため、日頃から筋肉の材料である「たんぱく質」をしっかり摂り、
積極的に大股の早歩きをすることが、脚の筋肉を増やすポイントとなります。

レポートを読みながら、当社でも「歩行速度と寿命」に関わる製品を開発したい、
そんな思いが、沸々と湧いてきます。