今回は、米中の貿易摩擦について、まとめてみたいと思います。
そもそもの発端は、11月に米議会中間選挙を控えたトランプ大統領からの発信でした。看板公約に掲げる貿易赤字の削減を実行すべく、3月に鉄鋼、アルミに高関税を打ち出したのです。
日本もこの被害を受け、今後の協議が期待されます。
しかし、日本の米国に対する貿易黒字は、少し古いですが、下記のデータからもわかるように、中国と比べると、少なく、アメリカにとっての一番の問題は、対中貿易赤字なのです。
以下は2015年のアメリカの貿易相手国の割合を輸出と輸入別に分けた、統計グラフです(出典;世界国勢図会)。金額の総額は、輸出が1兆5795億ドルで、輸入が2兆2683億ドル、差し引き約7千億ドルの貿易赤字となっています。
2017年は、日本対米黒字:633億ドル。 中国対米黒字:2758億ドルとなっています。
一方の中国は、言われただけでは、終わらず、4/2報復関税を発動しました。
以後は、米国が巨額の知財が盗まれ続けている、として中国の知財侵害への制裁処置として中国からの輸入品に25%の関税をかけるとして、通商法301条の適用を検討。
中国は、大豆やトウモロコシ航空機などの報復関税を検討。
現段階では、アメリカが中国に2000億ドルの貿易赤字削減を要求。
中国は、自動車や天然ガス半導体の輸入拡大を検討しつつも、貿易不均衡の是正には、双方の努力が必要、米国も対中輸出規制の緩和をとして、双方の隔たりは、依然として解消されていません。
5/3-4 北京にて行われた米中摩擦交渉の二回目が来週、ワシントンで行われる予定です。
米中の応酬を見れば、大変激しいように見えますが、ギリギリのところで踏みとどまっているようです。実際に関税を発動すれば、輸入品が値上がりし、自国の企業や消費者に悪影響を及ぼすからです。
いわゆる「貿易戦争」がエスカレートしないことを祈っています。 M.T.